社会貢献

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ホームディポでレンガを買い(新たなプロジェクトやってます)、一旦それを車に運び
ブラインドを買いに戻り、そしたらサイズを書いたメモを忘れたことに気付き、また車に戻り
戻ってみたらなくて、実際かばんに入っており、
ブラインドを選び、
ついでに新しい冷蔵庫をチェックしたりし、
ブラインドを買い、車に運び、
途中でメモを落としたことに気付く。

落としたメモは『本日やることリスト』である。
日本語で書かれているが、たまには日本人も通りかかるだろうし、
なにより自分では何を書いているかわかっているので、非常に恥ずかしいことである。

せんたく、だの
アイロン、だの
サングラスを直す、だの
かべぬり、だの
非常にはずかしかったので、また店に戻って、冷蔵庫売り場で無事メモをリカバー。

ハー、疲れた。
次はガソリン入れに行って、スーパーで食品ゲットである。

人気のないガソリンスタンドで、ボタンを操作し、ノズルを入れて給油を開始。
あまりに疲れて

ポカ~ん・・・・・

としていたら、いきなり30代くらいの女性が「エクスキューズミー?」と話しかけてきた。

何かしら、道でも聞きたいのかしら?たぶん私じゃ無理よ?と思いつつ、間抜けヅラで聞いていると、
ものすごい勢いで事情を説明している。
「リアリー、ベリー、ベリー、ロウ」
と言っているあたりで、すなポンにもようやく状況が飲み込めてきた。

つまりこの人は、ガソリンが空で、かつ現金もクレジットカードもなく、あと10分ほどの家まで持たなさそうなのでパニックに陥っているのである。

そして、少しガソリンを買うお金を貸してくれないか?みたいなことを必死に言ってきているのであった。

わたしもビックリしましてね。
なにせ、ポカ~ンとしていたので、そういう危機的状況にパパっと対応できる機敏な脳の動きをしていなかったわけですよ。

こういった場合、まずは、物乞いを疑いますね。なにせここは外国ですから。
しかしすなポンが普段出歩いていて「小銭を恵んで」ということはめったになく
この女性は、通常見かける物乞いのような外見ではありません。
うちのご近所にいるような、いたって普通の、『3才と7才の子供がいます』的雰囲気をただよわせた、感じのよい(そして金髪で美人)女性です。

そして、話をする様子がもう、せっぱつまってどうしようもなくて、
もう、こんなこと知らない人に頼むなんて、顔から火が出そう
っていうか、カオ真っ赤。(もしかしたら単に日焼けかも。最近天気いいからね。)
そして今にも泣きださんばかりに目をうるませているのです。

家はとなりの町らしく、すぐに戻ってきてお返ししますから、みたいなことも言っているようなのを
すなポンの英語脳はぼんやりと捉えていた。

いきなりまくしたてられて、すなポンもあっけに取られてしまった。
「1ガロン(3.6L)でもいいので」というからには
このガソリンポンプからついでに入れてあげるべきなのか、
1ガロンあればとなり町の家に戻って、それからまたガソリンを入れに行くまでの燃料は足りるであろう。
しかし本当に1ガロンでよいのか?
現金を上げる方が簡単なのか、
いくらあげたらいいのか、
だって、返してもらうったって、私も急いでいるし。
などなど、大急ぎで脳を稼働させ、
ちょうどこの日は5ドル札を持っていたので
「どれくらいいるの?5ドルでなんとかなりそう?」と聞いてみた。
5ドルあれば2ガロン強が入れられるので、まぁ十分だと思われたが、やはり
「それはもう十分です。お住まいはどちら?ここに戻ってきてお返しできるかしら?」と聞いてきたので
「家は近いけどあなたがストレスMAXなのは一目でわかるし、大丈夫。泣かないで。」と言って、5ドルは募金することにした。
何かもう少し気のきいたことでも言いたかったが、本格的な状況がわかっていないので
「ドント・ウォリー」とアドバイスをしたところでホントそれどころじゃないのかもしれないし、
「ハブ・ア・ナイス・イーブニング」などと能天気なあいさつを交わしている場合なのか微妙である。

すなポンが「泣かないで」と言ったので、いよいよ女性は本当に左目の端から涙をこぼし
感謝しぃしぃ去って言った。

びっくりした。
アメリカはキリスト教色が強いので「寄付」あるいは「あるものがないものに与える」という行為が日常的に見られる。
(その割には貧富の差がひどいし、この宗教が厄介なのだがそれはまた別の話としよう。)
子供が学校のプロジェクトのために家々を回って寄付を募ったり、ガールスカウトがクッキーを売りに来て資金集めをしたり、あるときはティーネージャーが全く個人的な「ぼく、外国に勉強しに行きたいんで寄付もらえませんか?」といってきたこともあるほど(ほんとかどうだか怪しいものだがステは心を打たれたらしく20ドルも!あげていた)、日本にくらべて断然『人にお金を乞うという行為』がさほど恥ずかしくないことのように観察される。
チップという悪習が残っていることもあるだろう。
日本人としては『このお金が今この人のものになりました』という直接表現はしっくりこないのだが。

だから、別にちょっと困っちゃって何ドルか恵んでもらうくらいどうってことないのかな?ともなりそうだが、この女性はもう『穴があったら入りたい』ぐらいの様相を呈していた。
まぁ確かに、目的あっての資金あつめと、うっかりミスで人様に恵んでもらうのとはやっぱり違うので、アメリカ人だってこれは恥ずかしいことなのであろう。
それにしてもやっぱり美人だと印象は違うし、得だなぁ~と思った。
すなポンも、『やせ細った汚っちいアジア人なんて助けてやるもんか』と思われないように、もう少し普段から外見をなんとかしておいた方がよいかもしれない、と本気で思った。

この女性は決して物乞いには見えなかったが、もしかしたらすごいお金に困っているということもあるかもしれぬ。カードを使いすぎて止められているということもあるかもしれぬ。もしかしたら夫がDVで給料の全てを巻き上げられているのかもしれぬ。しかし万が一にもあれが演技だったとすれば、たったの5ドルですごい体験型の舞台を見せてもらったなぁ、というような感覚である。
男の人に頼んだら20ドルくらいもらえたかもよ、とも思ったが、むしろ男の人を狙っていないところからして物乞いではないのだろう。ひょんなことからストーキングされないとも限らない。

ところで、そこまでガソリンがカラカラになるほどの状況って・・・・
そんな瀬戸際になるまで気付かなかったのか、
それとも『今日の帰りにガソリン入れればいいわ~ラララララン♪』とお花畑だったのか
いったいどこがどうなってそうなったのか、もう少し知りたいと思ったが、
たぶんもう少し詳しい状況は、すなポンの頭がお花畑でラララララン♪となってたときに、ある程度成り行きを説明していたようにもうっすら感じている。
あと、すなポン自身、財布を忘れて買いものに出かけたことも1度や2度あるのだから、その時にガソリンがカラになったら結構ひとごとではない
(だから今は20ドルほどの現金を車に置いているけど)

あまりの衝撃で、そんなこんなをつらつらと考えていたので、スーパーについてから
「あれ、さっきクレジットカードちゃんとしまったかしら。」とチェックしたら、やっぱりポケットに突っ込んだままだった。
ほんと、びっくりしたときは巻き込まれないようにいろいろ気をつけないと。

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