アメリカの新サービス

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スーパーで魚を買う時にチラシが目に入った。

「お好きなスパイスをお選びください。あとはお家に帰ってオーブンで焼くだけ!無料サービスですよ♪」

みたいなことが書かれていた。
あぁ、そういえば前回どこだったか忘れたけど同じ系列のスーパーで魚買ったときに
「シーズニング(スパイス)つけましょか?」
って聞かれて
「なんのこと????」
って思ったけど、聞くのも面倒だったので断って帰ってきたことがある。

スパイスとひと口に言われてもどんな味になるのかわからないし。
それが、このチラシには何種類かのスパイス(ディルとかローズマリーガーリックとかタイムとかそのた諸々)のコンビネーションがガイドされていた。

ははぁ、これのことだったか。新しいサービスを始めたんだな。

やってみよう。

ということでお兄さんに頼んでみた。
cod(たら)におすすめの「ディル」にしてみよう。

お兄さんが一瞬『なんの話?』という顔をしたのでチラシを見せると、ふんふんと頷いて、ちょっと待ってねと言って奥に行ってしまった。

「ディル」を取りに行ったのであろう。

待つことしばし・・・。
お兄さんはおじいさん店員を連れてきた。
どうやらチラシの指し示すサービスを遂行する手順がわからないらしく、おじいさんに指示を仰いでいるようだ。
そのおじいさん曰く

「これはね、野菜売り場にディル売ってるから、それを買ってきたらここで魚にのっけてパックしてあげるってことだよ。」

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

おじいさん。
それはないと思うよ。
いくらすなポンの英語読解力が足りないと思われようが、それは違うと思う。
買う側も、売る側も、かなり面倒くさいしね。

確かに、『今晩のメニュー』みたいな感じで調理法が書かれたカードが配られていたりはする。
その場合は、スーパー内で材料をそろえてお会計し、お家に帰ってレシピに従い調理するものだ。
それはわかる。
でもそれとは違うし、
何より、

「スパイスを選んで」
「こちらでスパイスを一緒に、オーブン用のパックにいたします。」
「あとはお家に帰って焼くだけです!」
「お客様には手間いらず。しかも無料!」

と書かれているので、おじいさんもしっかり読むと良い。

ちょっとどんなものか試してみようかなっ?と思ったらコレなので
「いいですいいです。忘れてください」と言って普通に巻いてもらった。

実際、おじいさんの発言にはえぇっ!?とドギモを抜かれたが、
このおじいさんを説得するにはかなりの時間を要するだろうし、
説得に成功したところで、じゃぁ手順は?となれば、今いる店員さんにわからないのだから
彼らを教育するエネルギーは無駄になる。

お兄さん的には、チラシに書いてあることがおじいさんより理解できていて
「勉強しておきますね。次のお客さんのこともあるし。」
という殊勝な態度を見せていたが

ふと見ると、魚たちのヨコに
トレーに並んだ、ディルやら、レモンやら、バターやらなんやらが目に入った。
これのことだな。

「あるね。ディル。たぶんこれをなんかするんだね。」
と伝えて買ってきた。

ガラスケースの目に付くところにチラシを置いた新サービスが肝心のスタッフに認知されていない。
アメリカのサービスって
そんなもんである。

PS:新サービスが浸透している店に今度行ってみよう。

ps2:でもね、前回も同じ店だったような気も、ほんの少しだけするんだけれど。店員さんは女の人だった。

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